平成31年新年のご挨拶
一般社団法人 北陸自動車無線協会
会 長 土 田 英 喜
新年あけましておめでとうございます。
平成31年の新春を迎え、謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
ここ数年業界は、ライドシェア阻止を最大の課題として取組み、足並みをそろえて各党議連や地方議会へ働き掛け、国交省も「安全最優先」を掲げてブレない姿勢を貫き、土俵際で何とか踏ん張っております。しかし、昨年は自動車の潮流として、「CASE」(ケースと読むらしいです。なんでも横文字で困ったものです!)と呼ばれる社会変化・技術変化の動きが盛んに叫ばれ、業界を取り巻く環境は、我々の想像を超えた段階に突入しつつあると、実感しております。
CASEはそれぞれ4つの用語の頭文字をあわせたもので、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字となります。
「コネクテッド」とは、自動車がインターネットに常時接続した状態を意味し、トヨタはこれから発売する全ての車に通信機を搭載し、日産やホンダも順次導入を発表しております。タクシーが自営無線で繋がるどころか、全ての道路上で走る車が携帯電話網で繋がる社会が、目前に迫りつつあります。
「自動運転」もここ数年で大きく前進し、業界内でも実証実験がIT企業や研究機関との連携で行われてはいますが、世界各国の巨大組織が桁違いの規模で試験運行を重ねております。ここでも通信の持つ意味は大きく、第5世代超高速通信網である5Gは、無くてはならない必要条件であると聞いております。
「シェアリング」は、需要と供給を、GPS搭載の通信端末(スマホ)を介してマッチングさせる事で効率的な供給の分かち合いを可能とし、「ライドシェア」や「カーシェア」をその代表として、全世界を破竹の勢いで席巻しております。
そして「電動化」が環境問題を飛越えて、自動車生産国地図の塗り替えを狙った国策を後押しとして、飛躍的に伸長しようとしています。
見ての通りこの流れを作った最大の原動力は、当協会がかかわってきた「通信」の進歩であり、そこにAIが加味され、便利なサービスとして社会に変革をもたらしています。我々が守ってきたタクシー無線は、余りに無力と言わざるを得ません。CASEを取り上げるまでもなくIot(物のインターネット)は今後も増え続け、全てのものがネットで繋がり、タクシー無線の持つ意味は、大きく低下して行くことは間違いありません。事実、どの地方協会も会員の減少に頭を抱え、財政的にも厳しい状況に追い込まれています。
では、現在存在意義が見出せないからと言って即座に協会不要論に直結するのは、飛躍しすぎではないでしょうか?今、このような全国組織を築くことは並大抵の努力ではかないません。であるなら、この組織を業界のために利用しない手は無いと考えます。これから業界に立ちはだかるだろう巨大な敵に、業界が足並みをそろえて対抗する組織がどうしても必要になるのではないでしょうか?協会運営は大変厳しくなっておりますが、どうか会員各位のご協力をお願いします。
最後に、本年が、希望あふれる良い年となりますことを祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。