令和4年新年のご挨拶
一般社団法人北陸自動車無線協会
会 長 土 田 英 喜
新年あけましておめでとうございます。
令和4年の新春を迎え、謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。
やがて2年間にも及ぶコロナ禍の影響は、原稿を書いている時点では徐々に回復へ向かってはいますが、世界を見ると新変異株の確認や感染が再拡大し、国内でも有識者から必ず6波は来ると注意喚起されており、落ち着いた状況が継続されていても、気を抜くわけにはいきません。
ただ、この2年間でワクチン接種が進み、3回目の接種も始まっています。感染初期に処方される飲み薬の確保や、病床も増床され、「ワクチン検査パッケージ」などの導入で、人流増加への基準も明確になってきております。この後も感染の波が訪れることはあると思われますが、需要回復への道筋がはっきり見えてくる一年になると思われます。
そのような中での課題は、コロナ禍で先延ばしにしてきた乗務員確保の問題ではないでしょうか。コロナ禍の2年間で、全国の乗務員は1割以上、地域によっては2割減少したといわれており、乗務員不足の影響が前倒しで鮮明に浮かび上がっています。東京の一部大手では、大学生の新卒者を400名以上採用するなど景気の良い話もありますが、全国ほぼ全ての事業者では人員の確保がままならない状況に追い込まれております。
ではどうすれば良いのか?まずは現状の賃金水準を改善し、上昇させなければ、業界に人など集まるはずがありません。岸田政権は、「成長と分配」を掲げて春闘での3%の賃上げや、賃上げ事業者への税の優遇を提案していますが、コロナ禍以前から地方のタクシー事業者は軒並み赤字経営を強いられており、税の優遇どころか納める事も出来ず、最低賃金が上がった分、そのまま赤字が上積みされている状態です。生産性を上げる努力は勿論必要ですが、地域の足を守りながらの効率向上は限界にきており、賃金アップには、その元手となる運賃を上げるしかありません。お客様に負担をお願いする事は「乗り控えが発生する」との反対が多い事も承知していますが、タクシー収入の7~8割が人件費であり、働き方改革での労働時間の減少や、賃金水準の上昇を目指す政府方針、加えて昨今の燃料高騰を考えると自分には、それ以外の方法は見当たらず、皆さんに納得していただけるまで説明し続けなければならないと、考えております。
私は、今年還暦を迎え年男となります。ネットで「寅年の意味」を調べてみると、「寅は動くの意味で、春が来て草木が生ずる状態を表しています」とあるではないですか!まさしく「動く、そして春が訪れ草木が芽吹く」年なのです!今後も、6波や新変異株などの厳しい局面の発生があると思いますが、この寅年をコロナ禍からの再生の年と位置付け、運賃改定へ向けても自分自身「動く」一年にしなくてはとの気持ちが湧いてきております。
そう思うと、なんとか存続している地方協会ではありますが、みんなの思いをまとめる集団としての協会の役割は、決して小さいものではないことに改めて気づき、役割が何か無いかと真剣に考える一年にもしなければとの決意を新たにしております。
最後に、本年が、希望あふれる良い年となりますことを祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。